BOOKSなかだ掛尾本店調べ (2019年 2月11日号)

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一切なりゆき
 樹木希林のことば
 文春新書 1194
樹木希林
●文藝春秋 ●ISBN 9784166611942 ●本体 800円+税

 2018年9月15日、女優の樹木希林さんが永眠されました。樹木さんを回顧するときに思い出すことは人それぞれです。古くは、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』で「ジュリー~」と身悶えるお婆ちゃんの暴れっぷりや、連続テレビ小説『はね駒』で演じた貞女のような母親役、「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに……」というテレビCMでのとぼけた姿もいまだに強く印象に残っています。近年では、『わが母の記』や『万引き家族』などで見せた融通無碍な演技は、瞠目に値するものでした。まさに平成の名女優と言えるでしょう。

 樹木さんは活字において、数多くのことばを遺しました。語り口は平明で、いつもユーモアを添えることを忘れないのですが、じつはとても深い。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫ってくるのは、浮いたような借り物は一つもないからで、それぞれのことばが樹木さんの生き方そのものであったからではないでしょうか。本人は意識しなくとも、警句や名言の山を築いているのです。それは希林流生き方のエッセンスでもあります。表紙に使用したなんとも心が和むお顔写真とともに、噛むほどに心に沁みる樹木さんのことばを玩味していただければ幸いです。


2.↑
宝島
真藤順丈
●講談社 ●ISBN 9784065118634 ●本体 1,850円+税

第160回 直木賞受賞!
 希望を祈るな。立ち上がり、掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。
 信じよう。仲間との絆を、恋人との愛を。美しい海を、熱を、人間の力を。

 英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染みーーグスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり――同じ夢に向かった。


3.↑
もっと言ってはいけない
  新潮新書 799
橘玲
●新潮社 ●ISBN  9784106107993 ●本体 800円+税

あのベストセラーがパワーアップして帰還!
 「日本人の3分の1は日本語が読めない」
「年収、学力、老後は遺伝の影響」
「人種と知能の禁断」「幸福を感じられないワケ」……
 残酷で不愉快な人間社会のタブーが明かされる。


4.↓
樹木希林120の遺言
 死ぬときぐらい好きにさせてよ
樹木希林
●宝島社 ●ISBN 9784800291929 ●本体 1,200円+税

 「楽しむのではなくて、面白がることよ。 面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中」
 女優の樹木希林さんが2018年9月15日に他界されました。 本書は樹木さんが生前に遺した120の言葉を掲載しています。
老い、孤独、病い、仕事、家族、夫婦関係……誰もが人生で直面する 「壁」をどう乗り越えればいいのか――。 きっと樹木さんの言葉がヒントになるはずです。


5.↑
富山は日本のスウェーデン
変革する保守王国の謎を解く
井手英策
●集英社新書 ●ISBN 9784087210446 ●本体 820円+税

 富山県は県民総生産が全国三一位の小さな自治体だが、一人当たりの所得では六位、勤労者世帯の実収入では四位に浮上する。
 背景にあるのは、ワークシェアリング的な雇用環境と女性が働きやすい仕組みだ。さらに、公教育への高い信頼、独居老人の少なさなど、まるでリベラルの理想が実現しているかのようだ。しかし、北陸は個人よりも共同体の秩序を重視する保守的な土地柄とされる。富山も例外ではない。つまり、保守王国の中から「日本的な北欧型社会」に向けた大きなうねりが起きているのだ。


6.↑
国家と教養
 新潮新書 793
藤原正彦 
●新潮社 ●ISBN 9784106107931 ●本体 740円+税

 大ベストセラー『国家の品格』著者による独創的文化論。教養はどうしたら身につくのか。教養の歴史を概観し、その効用と限界を明らかにしつつ、数学者らしい独創的な視点で「現代に相応しい教養」のあり方を提言する。


7.↑
ダブドリ Vol.5
ダブドリ
●旺史社 ●ISBN 9784871196062 ●本体 926円+税

1.富山グラウジーズ – 宇都直輝 インタビュー
2.アルバルク東京 – ザック・バランスキー インタビュー
3.石原愛子&瀨﨑理奈&桂葵 対談
4.名古屋ダイヤモンドドルフィンズ – 梶山信吾HC インタビュー
5.メンフィス・グリズリーズ – ピート・プラニカ インタビュー
6.上田篤拓&加藤誉樹 審判対談 – 後編
7.川崎ブレイブサンダース元沢伸夫社長&NATIONS平将貴社長 対談


8.↑
日本アホバカ勘違い列伝
北岡俊明
●ワック ●ISBN 9784898317839 ●本体 920円+税

日本をダメにする「勘違い人間」を征伐する!
「勘違い人間」とは──こんな面々!
①生まれながらの特権・利権をもった世襲人間(政治家・医者・歌舞伎役者等々)
②能力がないのに有名になり図に乗っている人間(テレビタレント・芸人等々)
③能力がないのに、自分を偉いと錯覚し、価値観を押しつける人間(作家・弁護士・評論家・キャスター等々)
④国民の血税をすすっている人間(天下り官僚・補助金漬けの農民・漁師等々)
⑤勘違いしている組織やテレビ局の人間(日本相撲協会・日本弁護士連合会・「サンデーモーニング」等々)



9.↑
ひとつむぎの手
知念実希人
●新潮社 ●ISBN 9784103343820 ●本体 1,400円+税

 大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。個性的な研修医達の指導をし、告発の真相を探るなか、怪文書が巻き起こした騒動は、やがて予想もしなかった事態へと発展していく―。


10.↓
富山地方鉄道殺人事件
西村京太郎
●新潮社 ●ISBN 9784103344346 ●本体 830円+税

 トロッコ列車の終点で起きた殺人。宇奈月、富山、立山、黒部ダム――消えた犯人を十津川警部が追う! 「宇奈月から黒部への旅」と書き残して、若手官僚が失踪。彼を知る女性新聞記者が、黒部峡谷鉄道の終点・欅平で殺される。しかし、犯人の足跡は宙に消えた……。路線距離一〇〇キロ超の富山地方鉄道と、夏なお難所の黒部峡谷。このどこかに犯人が潜んでいる! 十津川警部の追跡の結末は? 長編トラベルミステリー最新作。