BOOKSなかだ掛尾本店調べ (2019年 1月 7日号)

1.↑
一切なりゆき
 樹木希林のことば
 文春新書 1194
樹木希林
●文藝春秋 ●ISBN 9784166611942 ●本体 800円+税

 2018年9月15日、女優の樹木希林さんが永眠されました。樹木さんを回顧するときに思い出すことは人それぞれです。古くは、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』で「ジュリー〜」と身悶えるお婆ちゃんの暴れっぷりや、連続テレビ小説『はね駒』で演じた貞女のような母親役、「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに……」というテレビCMでのとぼけた姿もいまだに強く印象に残っています。近年では、『わが母の記』や『万引き家族』などで見せた融通無碍な演技は、瞠目に値するものでした。まさに平成の名女優と言えるでしょう。

 樹木さんは活字において、数多くのことばを遺しました。語り口は平明で、いつもユーモアを添えることを忘れないのですが、じつはとても深い。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫ってくるのは、浮いたような借り物は一つもないからで、それぞれのことばが樹木さんの生き方そのものであったからではないでしょうか。本人は意識しなくとも、警句や名言の山を築いているのです。それは希林流生き方のエッセンスでもあります。表紙に使用したなんとも心が和むお顔写真とともに、噛むほどに心に沁みる樹木さんのことばを玩味していただければ幸いです。


2.↑
学びを結果に変えるアウトプット大全
樺沢紫苑
●サンクチュアリパブリッシング ●ISBN  9784801400559 ●本体 1,450円+税

最新の脳科学でわかった!
説明・アイデア・雑談・交渉など。
すべての能力が最大化する、脳科学に裏付けられた
伝え方・書き方・動き方。


3.↑
日本国紀
百田尚樹
●幻冬舎 ●ISBN  9784344033856 ●本体 1,800円+税

 私たちは何者なのか――。
 神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。
 本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、壮大なる叙事詩である!
 当代一のストーリーテラーが、 平成最後の年に送り出す、日本通史の決定版!


4.↓
国家と教養
 新潮新書 793
藤原正彦 
●新潮社 ●ISBN 9784106107931 ●本体 740円+税

 大ベストセラー『国家の品格』著者による独創的文化論。教養はどうしたら身につくのか。教養の歴史を概観し、その効用と限界を明らかにしつつ、数学者らしい独創的な視点で「現代に相応しい教養」のあり方を提言する。


5.↑
ホモ・デウス 上・下
 テクノロジーとサピエンスの未来
ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之
●河出書房新社 ●ISBN  (上)9784309227368 ●本体 各1,900円+税


 我々は不死と幸福、神性をめざし、ホモ・デウス(神のヒト)へと自らをアップグレードする。そのとき、格差は想像を絶するものとなる。
 35カ国以上で400万部突破の世界的ベストセラー!



6.↑
10年後の仕事図鑑
新たに始まる世界で、君はどう生きるか
落合陽一 堀江貴文
●SBクリエイティブ  ●ISBN 9784797394573 ●本体 1,400円+税


 AI、仮想通貨、モチベーション格差、46の仕事、働き方―。
 新たに始まる世界で、君はどう生きるか。


7.↑
すぐ死ぬんだから
内館牧子
●講談社 ●ISBN 9784065125854  ●本体 1,550円+税

 78歳の忍(おし)ハナは夫岩造と東京の麻布で営んでいた酒店を息子雪男に譲り、近所で隠居生活をしている。
 年を取ることは退化であり、人間60代以上になったら実年齢に見られない努力をするべきだ、という信条を持つハナは美しさと若さを保っており、岩造は「ハナと結婚してよかった」が口癖の穏やかな男だ。
 雪男の妻由美には不満があるが、娘の苺や孫の雅彦やいづみにも囲まれて幸せな余生を過ごしているハナだったが、ある日岩造が倒れたところから、思わぬ人生の変転が待ち受けていた。
 人は加齢にどこまで抗えるのか。どうすれば品格のある老後を迎えられるのか。
 『終わった人』でサラリーマンの定年後の人生に光を当てた著者が放つ新「終活」小説!


8.↑
富山は日本のスウェーデン
  変革する保守王国の謎を解く
  集英社新書 0944
井手英策
●集英社 ●ISBN  9784087210446 ●本体 820円+税

 富山県は県民総生産が全国三一位の小さな自治体だが、一人当たりの所得では六位、勤労者世帯の実収入では四位に浮上する。
 背景にあるのは、ワークシェアリング的な雇用環境と女性が働きやすい仕組みだ。さらに、公教育への高い信頼、独居老人の少なさなど、まるでリベラルの理想が実現しているかのようだ。しかし、北陸は個人よりも共同体の秩序を重視する保守的な土地柄とされる。富山も例外ではない。つまり、保守王国の中から「日本的な北欧型社会」に向けた大きなうねりが起きているのだ。


9.↑
ゼロトレ
石村友見
●サンマーク出版 ●ISBN 9784763136923 ●本体 1,200円+税

 「羽が生えたように軽くなる」
 ニューヨークで話題の最強のダイエット法ついに日本上陸!
 ちぢんだ各部位を元の位置に戻すだけでドラマチックにやせる。


10.↑
「さみしさ」の研究
 小学館新書 338
ビートたけし
●小学館 ●ISBN 9784098253388 ●本体 760円+税

 老い、孤独、そして独立--すべてを語る。
 天才・たけしが「老い」と「孤独」をテーマに男の生き方について語る。世間に迎合せず生きるための「さみしさ」との付き合い方とは。自らの独立騒動や、大杉漣氏、松方弘樹氏、漫画家・さくらももこさんなど友の死についても深く語る。
 「ニッポン社会も、老化が止まらない」の章では、小学館新書の前作『テレビじゃ言えない』同様のタブーなき社会事象も展開。高齢化社会の欺瞞と矛盾をえぐり出す。