BOOKSなかだ掛尾本店調べ (2018年 6月18日号)

1.↑
未来の年表 2
 人口減少日本であなたに起きること
河合雅司
●講談社現代新書 ●ISBN 9784065117682 ●本体 840円+税

 本書は、『未来の年表』の続編である。ベストセラーの続編というのは大抵、前著の余勢を駆った「二匹目のどじょう狙い」である。しかし、本書は決して二番煎じをしようというものではない。「人口減少カレンダー」だけでは、少子高齢化という巨大なモンスターの全貌をとらえるには限界があった。だから今回は、全く違うアプローチで迫る。

 今回は、少子高齢化や人口減少が人々の暮らしにどのような形で降りかかってくるかを、あなたの生活に即しながら明らかにする。言うなれば、これからあなたに起きることを、お中元やお歳暮のギフトカタログのように一覧してみようというのだ。

 前著『未来の年表』が年代順というタテ軸を用いて俯瞰したのに対し、本書は起きる出来事を「ヨコ軸」、すなわち面としての広がりをもって眺める。

 少子高齢化や人口減少で起きることを、家庭、職場、地域社会といったトピックスに分けてカタログ化すれば、さまざまなシーンを「あなた自身の問題」として具体的に置き換えることができる。そしてそれは、10年後、20年後の日本でうまく立ち回っていくための指針となる。



2.↑
お釈迦さま以外はみんなバカ
高橋源一郎
●集英社インターナショナル新書 ●ISBN 9784797680256 ●本体 740円+税

 作家が心にとめた言葉の意味を、選りすぐりの本から読み解くエッセイ集。
 震災時も酒のことしか頭にない落語家、大阪おばちゃん語で憲法を表現……。柔軟な思考や気負わない生き方を教えてくれる本。


3.↑
かがみの孤城
辻村深月
●ポプラ社 ●ISBN 9784591153321 ●本体 1,800円+税

 あなたを、助けたい。
 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。


4.↑
万引き家族
是枝裕和
●宝島社  ●ISBN  9784800284075 ●本体 1,300円+税


 第71回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門正式出品作『万引き家族』が最高賞であるパルムドールを受賞!
 最新作「万引き家族」を監督自らが小説化。
 是枝監督が小説で描き出す、「家族の絆」とは―――。
  「彼らが盗んだものは、絆でした」 とある住宅街。柴田治と息子の祥太は、スーパーや駄菓子店で日々万引きをして生計をたてていた。 ある日、治はじゅりという少女が家から閉め出されているのを見かねて連れて帰ってくる。 驚く妻の信代だったが、少女の家庭事情を案じ、 一緒に「家族」として暮らすことに。 年金で細々と生きる祖母の初枝、JK見学店で働く信代の妹・亜紀。 6人家族として幸せに暮らしていた。 しかし、ある出来事を境に、彼らの抱える 「秘密」が明らかになっていく―――。


5.↑
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
デイヴィッド・S・キダー ノア・D・オッペンハイム 小林朋則
●文響社 ●ISBN 9784866510552 ●本体 2,380円+税


 ニューヨークタイムズベストセラー!
 アメリカで470,000部刊行の大人気な定番本が、ついに邦訳!

 1日1ページ15分読むだけで、世界基準の知性が身につく!
 (月)歴史・(火)文学・(水)芸術・(木)科学・(金)音楽・(土)哲学・(日)宗教の7分野から、頭脳を刺激し、教養を高める知識を365日分収録!
 もっと知りたいこと、見てみたいもの、行きたい場所など自分の興味が広がり人生が豊かになる。
 すべての知的好奇心の探究者へおくる本。



6.↑
「超」独学法
AI時代の新しい働き方へ
野口悠紀雄
●角川新書 ●ISBN 9784040822273 ●本体 840円+税

 AI時代の新しい働き方を実現するためにもっとも重要なスキルが、「超」独学法である。

 経済学、英語、ファイナンス理論、仮想通貨、人工知能など、どんなジャンルも独学できた最先端かつ最強の勉強メソッドを初公開。



7.↑
竹内政明の「編集手帳」傑作選
 読売新聞朝刊一面コラム
竹内政明
●中央公論新社 ●ISBN 9784121506207 ●本体 920円+税


 勝った人より「負けた人」幸せな人より「日の当たらない人」
 だから竹内政明の編集手帳は沁みるんだ!
 読売新聞 名物コラム16年分から選んだ珠玉のコラム集


8.↓
極上の孤独
下重暁子
●幻冬舎新書 ●ISBN 9784344984936 ●本体 780円+税

 現代では「孤独=悪」だというイメージが強く、たとえば孤独死は「憐れだ」「ああはなりたくない」と一方的に忌み嫌われる。
 しかし、それは少しおかしくないか。そもそも孤独でいるのは、まわりに自分を合わせるくらいなら一人でいるほうが何倍も愉しく充実しているからで、成熟した人間だけが到達できる境地でもある。「集団の中でほんとうの自分でいることは難しい」「孤独を味わえるのは選ばれし人」「孤独を知らない人に品はない」「素敵な人はみな孤独」等々、一人をこよなく愛する著者が、孤独の効用を語り尽くす。



9.↑
歴史と人生
半藤一利
●幻冬舎新書 ●ISBN 9784344985049 ●本体 780円+税


 『史記』でも『万葉集』でも、人間の悩みは現代と変わらない。失意のときにどう身を処すか、憂きこと多き日々をどう楽しむか。答えはすべて、歴史に書きこまれている。
 歴史こそ究極の人間学なのである―敬愛してやまない海舟さん、漱石さん、荷風さん、安吾さんの生き方。昭和史、太平洋戦争史を調べる中で突きつけられた人間の愚かさ、弱さ。天下国家には関係ないが、ハハハと笑えて人生捨てたもんじゃないと思わせてくれるこぼれ話等々。80冊以上の著作から厳選した歴史探偵流・人生の味わい方。


10.↑
選んだ孤独はよい孤独
山内マリコ
●河出書房新社 ●ISBN 9784309026855 ●本体 1,200円+税

 地元から出ないアラサー、女子が怖い高校生、仕事が出来ないあの先輩…誰もが逃れられない「生きづらさ」に寄り添う、人生の切なさとおかしみと共感に満ちた19編。情けなくも愛すべき男たちの「孤独」でつながる物語。
 「女のリアル」の最高の描き手・山内マリコが「男のリアル」をすくいあげた新たなる傑作!