BOOKSなかだ掛尾本店調べ (2018年 5月21日号)

1.↑
極上の孤独
下重暁子
●幻冬舎新書 ●ISBN 9784344984936 ●本体 780円+税

 現代では「孤独=悪」だというイメージが強く、たとえば孤独死は「憐れだ」「ああはなりたくない」と一方的に忌み嫌われる。
 しかし、それは少しおかしくないか。そもそも孤独でいるのは、まわりに自分を合わせるくらいなら一人でいるほうが何倍も愉しく充実しているからで、成熟した人間だけが到達できる境地でもある。「集団の中でほんとうの自分でいることは難しい」「孤独を味わえるのは選ばれし人」「孤独を知らない人に品はない」「素敵な人はみな孤独」等々、一人をこよなく愛する著者が、孤独の効用を語り尽くす。



2.↑
国体論
 菊と星条旗
白井聡
●集英社新書  ●ISBN 9784087210286 ●本体 940円+税

 明治維新から現在に至るまで、日本社会の基軸となってきたものは「国体」である―。
 象徴天皇制の現代社会で「国体」?それは死語ではないのか?否、「国体」は戦後もこの国を強く規定している。一九四五年八月、大日本帝国は「国体護持」を唯一の条件として敗戦を受け容れた。ただし、その内実は激変した。「戦後の国体」とは、天皇制というピラミッドの頂点に、アメリカを鎮座させたものなのだ。なぜ、かくも奇妙な「国体」が生まれたのか。
 「戦後の国体」は、われわれをどこに導くのか。『永続敗戦論』の白井聡による、衝撃作!



3.↑
竹内政明の「編集手帳」傑作選
 読売新聞朝刊一面コラム
竹内政明
●中央公論新社 ●ISBN 9784121506207 ●本体 920円+税


 勝った人より「負けた人」幸せな人より「日の当たらない人」
 だから竹内政明の編集手帳は沁みるんだ!
 読売新聞 名物コラム16年分から選んだ珠玉のコラム集


4.↑
九十歳。何がめでたい
佐藤 愛子 著
●小学館 ●ISBN 9784093965378 ●本体1,200円+税

 自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める
年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞する。
 御年92歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。


5.↑
青くて痛くて脆い
住野よる
●KADOKAWA ●ISBN 9784041052068 ●本体 1,400円+税


 人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。
 空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、けれど誰よりも純粋だった彼女。秋好の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という秘密結社を結成した。
それから3年。あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。僕の心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。
「僕が、秋好が残した嘘を、本当に変える」
それは僕にとって、世間への叛逆を意味していた――。
青春の煌めきと残酷さを痛烈に描ききった、著者渾身の新境地!


6.↑
未来の年表 2
 人口減少日本であなたに起きること
河合雅司
●講談社現代新書 ●ISBN 9784065117682 ●本体 840円+税

 本書は、『未来の年表』の続編である。ベストセラーの続編というのは大抵、前著の余勢を駆った「二匹目のどじょう狙い」である。しかし、本書は決して二番煎じをしようというものではない。「人口減少カレンダー」だけでは、少子高齢化という巨大なモンスターの全貌をとらえるには限界があった。だから今回は、全く違うアプローチで迫る。

 今回は、少子高齢化や人口減少が人々の暮らしにどのような形で降りかかってくるかを、あなたの生活に即しながら明らかにする。言うなれば、これからあなたに起きることを、お中元やお歳暮のギフトカタログのように一覧してみようというのだ。

 前著『未来の年表』が年代順というタテ軸を用いて俯瞰したのに対し、本書は起きる出来事を「ヨコ軸」、すなわち面としての広がりをもって眺める。

 少子高齢化や人口減少で起きることを、家庭、職場、地域社会といったトピックスに分けてカタログ化すれば、さまざまなシーンを「あなた自身の問題」として具体的に置き換えることができる。そしてそれは、10年後、20年後の日本でうまく立ち回っていくための指針となる。



7.↑
医者が教える食事術最強の教科書
 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田善二
●ダイヤモンド社 ●ISBN 9784478102213 ●本体 1,500円+税


 ちまたの健康法はウソだらけ!
 仕事・人生のパフォーマンスを最大化する新常識!肥満、老化、病気、長寿、集中力、疲労―生化学×最新医療データ×統計データから、医学的エビデンスに基づいた、本当に正しい食事法を1冊に網羅!
 「食の教養」は健康格差社会を生き抜く武器だ!


8.↑
富山県の山
 分県登山ガイド 17
佐伯郁夫 佐伯克美 佐伯岩雄 佐伯郁子
●山と渓谷社   ●ISBN 9784635020473 ●本体 1,900円+税


 ふるさとの山々を網羅した、大好評の分県登山ガイドシリーズ『富山県の山』。
20年ぶりにパワーアップして完全リニューアル! シリーズ累計200万部突破の大人気「山」ガイド。地元や郷里、馴染みの深いエリアや現在お住まいの都道府県の山々を楽しむことができます。
 地図が大きくなり、情報もより充実。
 コースタイムは往路、復路の二通りを記載。
 体力度は共通のグレーディング算出方法で全国を統一しましたので、
 よりわかり易く、より参照しやすくなりました。
 倍増した「チェックポイント」では、登下山口、分岐点などの重要ポイントを写真でご紹介。
 主要山岳については一筆書きでの1コースだけでなく、複数の登山道も網羅しています。


9.↑
未来
湊かなえ
●双葉社  ●ISBN 9784575240979 ●本体 1,680円+税


 "「こんにちは、章子。わたしは20年後のあなたです」
 ある日、突然届いた一通の手紙。送り主は未来の自分だという……。
 『告白』から10年、湊ワールドの集大成!待望の書き下ろし長編ミステリー!!"


10.↑
あやかし草紙
 三島屋変調百物語伍之続
宮部みゆき
●KADOKAWA ●ISBN 9784041067925 ●本体 1,800円+税

 江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、風変わりな百物語を続けるおちか。 塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる「開けずの間」。 亡者を起こすという“もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める「だんまり姫」。屋敷の奥に封じられた面の監視役として雇われた女中の告白「面の家」。百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事「金目の猫」を加えた選りぬき珠玉の全五篇。
 人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱を浄め流す極上の物語、シリーズ第一期完結篇!